外耳炎の構造と耳垢のでき方

外耳炎の構造と耳垢のでき方
西宮市、芦屋市、尼崎市を中心に耳鼻科診療を行う梅華会グループ監修の外耳炎の情報サイト

外耳道の構造について

外耳道は、耳の入り口から鼓膜までの耳の穴の中のことをいいます。(図1参照) 耳の穴の入り口から鼓膜までは全長3cm前後のやや曲がった管状通路になっていて、表面は重層扁平上皮(じゅうそうへんぺいじょうひ)といわれる皮膚で覆われています。 入り口に近い2分の1くらいは重層扁平表皮の下が軟骨組織でできている外耳道軟骨部、鼓膜に近い2分の1くらいは重層扁平表皮の下が骨組織でできている外耳道骨部と呼ばれ、その移行部は峡部(きょうぶ)と呼ばれて少し狭くなっています。 入り口付近の軟骨部の重層扁平上皮には、毳毛(ぜいもう)という細い毛や、耳垢腺(じこうせん)、脂腺があります。 耳垢腺は汗腺の一種で、ここから耳垢が産生されます。


耳垢はどうやって作られるの?

つまり、耳垢が作られるのは耳の入り口から2分の1くらい入ったところまでで、それより奥の骨部の重層扁平表皮には耳垢は存在しません。 また、骨部の重層扁平表皮はとても薄く、毳毛も生えていません。

そして、外耳道には皮膚の自浄作用があり、あくびをしたり食べ物を噛んだりという顎(あご)の運動によって、耳垢は自然と入り口に移動し、自然に外に出ていくような仕組みになっています。 ところが、不適切に耳掃除することで、入り口付近の2分の1くらいまでにしかないはずの耳垢が綿棒で奥に押し込まれてしまったり、耳かきなどで奥の薄い皮膚を引っ掻いて傷つけてしまうと外耳炎を起こしてしまう場合があるのです。

外耳道はまた、音響学的には共鳴腔として入ってきた音声を響かせるという機能を持ちます。 ところが、不適切な耳掃除で外耳道の皮膚に傷をつけたり、耳垢を奥へ押し込んだりを繰り返すことで、徐々に耳垢が固まり、やがて耳をふさぐほどの大きな塊になってしまうことがあります。 そうなってしまうと耳垢が自然に外に排出されなくなり、それが耳の穴をふさぐことで共鳴腔としての機能を失い、耳の閉塞感、難聴、耳鳴り、自分の声が大きく響いてしまう自声強聴――などが生じる「耳垢栓塞(じこうせんそく)」至ります。

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