急性限局性外耳炎(耳せつ)
耳垢腺、皮脂腺の細菌感染によって、入り口付近の外耳道軟骨部に発症します。 激しく耳は痛み、時には頭頂部や歯にまで痛みが波及することがあります。 炎症が周囲に拡がると、悪寒とともに発熱し、耳介(耳だぶ)周囲のリンパ節が腫脹することさえあります。 外耳道の皮膚は赤く腫れ上がり、外耳道の内腔が完全に閉ざされて聞こえに影響することもあります。 耳の穴の入り口付近を押さえたり、耳たぶを引っ張ると痛みが増すのが特徴で、食物を噛むというように耳の穴の前方にある顎関節(がくかんせつ)を動かすと痛みが増すことがあります。
外耳道湿疹
耳掃除などの物理的な刺激や、急性あるいは慢性中耳炎の経過中に耳漏(じろう:耳だれ)の刺激で外耳道の皮膚に湿疹ができることで、強いかゆみを発症することから始まります。 徐々に耳たぶや外耳道の入り口が赤く腫れ、びらん、耳だれを生じ、かさぶた、皮膚の角質がボロボロ落ちる落屑(らくせつ)が見られるようになります。
びまん性外耳炎
外耳道の奥、外耳道骨部にまで生じる炎症で、外耳道湿疹、急性限局性外耳炎、中耳炎の経過中に生じた耳漏などに引き続いて発症します。 外耳道は赤く腫れ、耳だれや痛みを生じます。 耳の穴の入り口付近を押さえたり、耳たぶを引っ張ると痛みが増すのが特徴で、炎症が周囲に拡がると、発熱や耳介周囲のリンパ節の腫脹が見られます。 ひどくなると、開口障害や脳神経に影響することさえあります。
外耳道真菌症
外耳道湿疹に引き続いて発症したり、素人判断による不適切な抗菌剤やステロイド剤の使用により発症してしまうこともあります。 カビの1種である真菌のかたまりが膜のようになって外耳道骨部や鼓膜面に密着します。 激しいかゆみや痛み、耳だれ、耳閉感、難聴が主な症状です。